2009.3月 |
予防接種について 〜 第3回 〜 |
前2回は、集団接種と個別接種についてお話しました。今回で、最終回となります。 ワクチンにはその特性上、生ワクチンと不活化ワクチンの二つに分類されます。生ワクチンはBCG・ポリオ・MR、不活化ワクチンは三種混合と日本脳炎です。生ワクチンは生きている病原体を強制的に感染させることにより病原体が体内で増殖します。それに伴い病原体そのものに対する抗体を体内で大量につくり、維持し、自然界に存在する病原体を体に侵入させないようにするもので、その病気にはかかりません。不活化ワクチンは、死んだ(不活化した)病原体を体内に入れ、異物として免疫機能に認識させ、抗体を作る練習を行い、実際に自然界に存在する病原体に感染した時(病気にかかった時)には速やかに大量の抗体をつくり、病原体に対抗させようというものです。つまり、抗体を作る練習ですから、何回も接種しますし、その間隔も大事ということになります。 また、生ワクチン接種後は、4週間予防接種を受けられず、不活化ワクチン接種後は1週間予防接種を受けられないという原則があります。これは、万が一重大な副反応が起こった時の対応が難しいからです。 定期予防接種は、平成6年度から義務接種から勧奨接種となりましたが、集団防衛という観点から積極的に接種していただきたいと願っております。また、そのワクチンは人類の知恵と努力と経験の結晶です。予防接種に関する心配なことや質問は「かかりつけ医」と納得のいくまでよく相談してください。 予防接種は、あなたの大切な宝物を恐ろしい病気から守る最も有効な手段であり、必ず守ってくれます。 |
2009.1月 |
予防接種について 〜 第2回 〜 |
前回は、集団接種のポリオについて掲載しました。今回は個別接種のBCG・三種混合・MRについて紹介します。日本脳炎も個別接種ですが、現在積極的勧奨を控えておりますので、またの機会に紹介します。 BCGは結核の予防接種です。生後3か月から6か月以内に接種してください。平成20年度からは個別接種となりました。接種期間が短いこと、三種混合・ポリオと接種時期が重なることから、接種のスケジュールについては「かかりつけ医」と相談してください。 三種混合はT期とU期に分かれていて、T期は生後3か月から7歳6か月未満、U期は9歳から11歳未満に行います。また、T期は初回と追加に分かれ、初回は3週間から8週間の間隔で3回連続して接種し、3回目接種後の1年から1年6か月の間に追加接種(4回目)を行います。T期はDPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)で、U期はDT(二種混合:ジフテリア・破傷風)です。乳児の百日咳は重症になりますので、生後3か月を過ぎたら速やかにDPTを接種してください。 MR(麻しん・風しん混合ワクチン)は最も重要なワクチンで、T期・U期とあり、T期は1歳から2歳未満の1年間に接種しますが、麻しん(はしか)は2,000人に1人の頻度で命を落とすと言われる恐ろしい疾患です。1歳の誕生日になったら速やかに接種してください。U期は5歳から小学校入学までの2年間に接種します。MRワクチンに関しては、平成20年度から5年間の時限措置として、中学1年生を対象にV期、高校3年生を対象にW期を設け、麻しん撲滅作戦を実施しています。現在中学1年生・高校3年生でMRワクチンを接種していない方は、平成21年3月末が無料で接種できる期限ですから速やかに接種してください。(次回に続く) |
2008.11月 |
予防接種について 〜 第1回 〜 |
予防接種には、予防接種法に基づいて行われる定期予防接種と、本人や保護者の意思と希望に基づいて行われる任意予防接種があります。 定期予防接種は一定期間の月年齢に接種することが決められており、現在は、BCG・三種混合・ポリオ・MR(麻しん・風しん混合)・日本脳炎の五種類のワクチンとなっています。任意予防接種ではインフルエンザ・水痘・おたふくかぜワクチンがその代表ですが、それ以外にも最近話題のヒブワクチン(Hib:インフルエンザ桿菌タイプb)と肺炎球菌ワクチンやB型肝炎・A型肝炎ワクチン、狂犬病・コレラ・黄熱病ワクチンなどがあります。本文では東大和市で行われている定期予防接種について述べますが、紙面の都合上3回に分けて掲載します。 定期予防接種の接種方法には集団接種と個別接種があります。集団接種で行うのはポリオ(小児麻痺)だけで、その他のワクチンは個別接種で行います。 ポリオの集団接種は接種日が決まっていて、一度は接種日が指定されますが、その日に接種できなかった場合は他の接種日に行ってかまいませんので、接種日を市報等で確認しておいてください。ポリオワクチンは唯一飲むワクチンで、生後3か月から7歳6か月までに同じものを2回飲みますが、その間隔は6週間以上開いていれば何年経っていてもかまいません。その理由は、ポリオは日本を含めたほとんどのアジア地域では撲滅されたからです。接種日が指定されているからといって優先する必要は全くありません。それよりも、接種時期が重なり、罹患の可能性のあるBCG(結核)と三種混合(DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチンの接種を優先してください。(次回に続く) |
2008.9月 |
前立腺がんとPSA検診(前立腺がん検診) |
本年9月から、PSA検診(前立腺がん検診)が東大和市で始まりました。 前立腺がんは、2005年の統計では男性がんの第5位の罹患率ですが、2020年には胃がんを抜いて肺がんに次いで、2番目になると予想されています。また、死亡数も2005年の約9,000人から約28,000人になると予想されています。 前立腺がんは、進行が遅く、比較的予後の良いがんのように思われていますが、進行がんになると治療の反応も悪く、早期のがんに比べ極端に生存率も落ちてきます。このため、早期の前立腺がんを見つけ的確な治療を行うことが重要です。 このPSA検診は、群馬県で行われた検診結果によると、検診を受けている方が多くなればなるほど、検診で見つかるがんが増えていますが、進行がんの割合は低くなってきています。理論的には、進行がんの発生率が下がれば、早期がんが増え、生存率も改善する期待が持てます。 スイスのチロル地方の検診普及の結果によれば、PSA検診を行うことにより前立腺がんの生存率の改善が見られています。進行がんの発生率を下げ、治る見込みの高い早期がんのうちに発見するために前立腺がんの検診をぜひ行っていただきたいと思います。 PSA検診は、市内の指定医療機関で採血のみで行っています。PSAの値が、4.0を越すと前立腺がんの可能性を疑わなくてはいけませんので、二次検診(直腸診・経直腸的超音波・前立腺生検等の精査)を受けていただくことになります。 |
2008.7月 |
特定健診・特定保健指導 |
平成20年4月から、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型症候群)の予防・解消に着目した特定健診・特定保健指導が開始されました。これらは、動脈硬化性の疾患(脳梗塞・心筋梗塞など)の予防を、40歳から74歳までのすべての方を対象にするものです。順を追ってみてみましょう。 はじめに、メタボリックシンドローム該当者・予備軍の方を見つけ出すことに重点を置いた特定健診を受けます。 基本的な健診の項目は、腹囲(臍周り)とBMI(体重s÷身長p÷身長p)の身体計測、最高血圧と最低血圧の測定、血液検査の中性脂肪・HDL(善玉)コレステロール・空腹時血糖もしくはヘモグロビンA1Cのチェックとなります。 メタボリックシンドロームの診断基準は、腹囲が男性85p以上・女性90p以上の内臓脂肪のつき過ぎに加えて、血糖・脂質・血圧の3項目のうち2項目以上が該当するとメタボと診断されます。 血糖は、空腹時血糖が110r/?以上、脂質は中性脂肪が150r/?以上またはHDL(善玉)コレステロールが40r/?未満、血圧は最高血圧が130oHg以上または最低血圧が85oHg以上とされています。 次に健診をうけたすべての方の検査結果に応じて、メタボリックシンドローム該当者・予備軍そして非該当者の3つのグループに分けられます。最後にメタボリックシンドローム該当者・予備軍の方々に対して健康状態やライフスタイルに合わせた保健指導が行われます。 以上が新しい健診制度により始まった健診・指導です。これにより内臓脂肪のつき過ぎが影響する病気の発生予防につなげていくのが目的です。 |
2008.5月 |
肺炎球菌ワクチンとは |
肺炎球菌は、主に人の鼻咽腔(いんくう)に存在し、この菌が中耳に拡散すると中耳炎をひき起こしたり、さらに重篤化すると肺炎や菌血症に進展することもあります。特に慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病、脾(ひ)臓の摘出術を受けた方や65歳以上の高齢者の方々が注意しなければならないと考えられております。また最近では、喫煙が発症要因となっていることも注目されています。 肺炎球菌ワクチンは、以上のようなリスクを負った方々が重篤な肺炎球菌感染症にかかるのを予防できると報告されております。しかし、残念ながらこのワクチンの効果は、一生涯続くものではなく6〜7年といわれております。しかも、わが国では現在のところ追加の再接種が認められておりません。その理由は、5年以内に再接種すると、注射部位の腫脹(しゅちょう)、発赤、疼(とう)痛さらに悪寒、発熱などの全身症状の発生率が高いためのようです。 しかし、アメリカ、オーストラリアやヨーロッパ諸国では、1回接種後65歳までに5年以上経過している場合は再接種が可能であるため、今後日本でも見直されると思われます。なお、このワクチンは、インフルエンザワクチンなどと同様に、一部の方(脾臓の摘出術を受けた方など)を除いては保険の適用はなく任意の接種となります。自己負担額は、医療機関によって違ってきますが、6,000〜9,000円程かかります。 しかし、前記のリスクを負っている方は、重篤な肺炎球菌感染症にならないようワクチンの接種が望まれますが、その持続期間と再接種との問題がありますので、ご自身の健康状態をよく把握されているかかりつけ医と相談していただきたいと思います。とにかく、予防が治療に勝るということだと思います。 |
2008.1月 |
脳卒中、特に脳梗塞(こうそく)について |
脳卒中とは突然に起こる脳の病気という意味です。脳の血管が閉塞して脳に血液が流れなくなり脳の神経細胞が壊(え)死を起こす脳梗塞、脳の血管が切れて脳の中に出血する脳出血、脳動脈の分岐部にできた脳動脈瘤(りゅう)が破裂して脳の表面に出血するクモ膜下出血の3種類に分けられます。 脳卒中は日本では死亡原因の第3位であり、助かっても寝たきりとなってしまう原因疾患の第1位です。クモ膜下出血は突然の激しい頭痛、吐き気、おう吐、意識障害などで発症する死亡率の高い病気で脳卒中の約6%程度です。脳出血は高血圧が原因で脳梗塞と似た症状で発症しますが、最近減少して約15%となっています。しかし、脳梗塞は増加して79%になっています。長嶋茂雄元巨人軍監督や最近ではサッカーの日本代表のオシム監督を始めとした多くの方がこの病気に倒れています。 脳梗塞はその原因により細い血管の閉塞による比較的症状の軽い小さな脳梗塞であるラクナ梗塞、比較的太い動脈が動脈硬化により閉塞するアテローム血栓性脳梗塞、不整脈や心弁膜症などの心臓病が原因で症状が重篤になることが多い心原性脳塞栓症の3つに分類されます。危険因子は高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などのメタボリックシンドロームや加齢、タバコなどです。 症状は脳卒中の語源のように突然、顔や手足の麻痺がでる、ろれつが回らなくなる、言葉が出ない・理解できない、目が見えなくなる、視野が欠ける、めまいがするなど脳の梗塞部位によりさまざまです。現在では脳梗塞を発症して3時間以内に使用すると症状の改善が期待できる薬も出てきています。脳梗塞はまず予防に努めることが大切ですが、このような症状が出現した際には救急車を呼んで一刻も早く脳卒中に対応可能な脳神経外科や神経内科などのある病院を受診することが重要です。 |
2007.7月 |
耳が痛い? |
耳痛を訴えるいくつかの病気について述べてみたいと思います。 急性中耳炎は、耳痛の原因として最も多い病気でしょう。鼻やのどの炎症に引き続いて怒ります。熱が出ることもあります。乳幼児では、わけもなく泣いたり、機嫌が悪かったり、お母さんにくっつきたがったりする時、一応急性中耳炎も考えた方がいいでしょう。 外耳道炎も耳痛を訴える代表的な病気です。耳掃除などで外耳道を傷つけ、その刺激で起こす事が多いようです。耳たぶの付け根を押したり、耳たぶを引っぱったりで、激しく痛むのが特徴です。夏にかけて増えてくる病気でもあります。 おたふく風邪や化膿性耳下腺炎などの耳下腺の炎症でも耳痛を訴える場合があります。耳たぶの下方にある耳下腺が腫れてきますが、耳たぶを下から支えるように、そして取り囲むように腫れてくることでわかります。 扁桃腺炎では、痛みはのどから耳にかけて拡がります。顎関節症では、大きく口を開けたり噛みしめた時、あごがだるかったり痛かったりするのが主な症状ですが、外耳道とあごの関節は隣り合っているため、耳痛を訴える場合もあります。 帯状疱疹(ヘルペス)ウイルスが外耳道や耳介に感染すると小さな水疱を伴った発疹が現れ、かなり強い痛みを訴えます。顔面神経麻痺を伴うこともあるので、注意が必要です。 以上のように、耳の周辺からのどやあごにかけては、いろいろな器官が隣接しており、そこを支配する知覚神経も複雑に枝分かれして分布しているため、痛みの場所や原因を自分で特定することは意外と難しいものなのです。ですから「耳が痛い」ときは、風邪など他の症状がないか、どんな時に痛くなるかなどを、自分自身で確かめておくと、診断の大きな助けになります。 |
2007.4月 |
閉経期(更年期) |
閉経期というのは、女性の月経が終了する時期を指します。ちょうど、月経や妊娠のように、閉経期もまったく自然な出来事で、年齢50歳位を平均として起こります。 この時期女性は自身を見つめ直し、家族のためではなく、自分自身のための新しい人生を始める出発点でもあるのです。 閉経期は変化の時であり、新しい機会が開ける時であり、健康なライフスタイル、新しい人間関係、新しい興味を開拓し追求する時なのです。 しかし、幾つか問題がないわけではありません。この時期に不快な症状に悩む女性は少なくありません。もっとも、症状の多くは軽度なものですが、時には閉経期の症状がとても強く苦しむことがあります。そんなときは婦人科を気軽にたずねてください。症状の多くは軽快させる事が可能です。 更年期…しばしば、閉経期に伴う変化は、閉経期の数年前から始まり、閉経後も数年間続くことがあります。この時期を我が国では更年期と呼んでいます。 この時期に起こる変化をよく理解することによって、あなたとご家族はその変化を受け入れることができ、またより良く適応できるようになるでしょう。 人生のこの時期を上手に過ごすためには、健康で、活動的な生活をするのが一番です。 閉経期と月経期 ●月経周期 成熟した女性は、毎月卵巣から分泌されるホルモンにより子宮に変化をもたらし、受精卵が子宮内で発育できるよう準備を整えます。卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)は子宮の内側にある内膜に作用して、内膜を厚く増殖させます。 毎月卵巣からは卵子が放出されますが,この現象を排卵と呼びます。排卵された卵子が受精しないと、卵管を通り抜けて子宮に入り、そこで吸収されてしまいます。そして厚くなっていた子宮内膜は剥脱し月経となって排出されます。 ●卵胞ホルモンと加齢 女性の年齢が高くなると、卵胞ホルモンの量は徐々に減少します。 ほとんどの女性は、その減少に気づきません。また十分な量の卵胞ホルモンがないと排卵しないこともあります。 排卵がなくても月経様出血は起こりますが、卵胞ホルモンの量が少ないと月経周期は不規則になってきます。やがて月経は全く停止してしまいます。閉経期というのは、文字通り月経が停止する時期のことです。 閉経期になっても、卵胞ホルモンが全く無くなってしまうわけではありません。卵胞ホルモンは本来卵巣で産生されますが、それ以外に脂肪組織でも産生されます。実際に、肥満女性は閉経期症状の無いことがあります。 また、少量ずつ作られている男性ホルモンを女性ホルモンに作り変えて利用しています。ですから閉経したからといって男性ホルモン優位になるわけではありません。 ●月経の変化 閉経の数年前から卵胞ホルモンの低下による月経の変化が見られることがあります。しばしば、閉経期の近い事を知らせる最初の変化は、月経周期が不規則になることです。 例えば、それまできちんと来ていた月経が一回抜け、その後規則的に2〜3回あり、また1〜2回抜けるといった具合です。 閉経が近づくと月経の出血量は減少し、持続も短くなるのが普通です。 出血量が非常に多い場合、出血が正常よりも長く続く場合、月経と月経の間で出血がある場合などは、婦人科に相談してください。閉経期には月経周期が不規則になりやすいのですが、子宮や内膜の病変によって起こる出血もあるので注意してください。 早期の閉経(早発閉経) 時に閉経が40歳以前に起こることがあります。自然に卵巣の働きが停止してしまう場合と、手術により両側の卵巣を切除したために閉経してしまう場合とがあります。 手術による場合、卵巣機能の急激な消失により体内の卵胞ホルモンが一気に低下して、閉経期の症状(更年期障害)が強く現れることになります。 自然にでも、早過ぎる閉経は後の説明にもあるようにセックス時のトラブル、骨粗しょう症、動脈硬化、高脂血症等さまざまな問題が起こってきますので、内服などで女性ホルモンを補う必要があります。 閉経期に起きる体の変化 体の中の卵胞ホルモン(一般には女性ホルモンと呼ばれています)の量が閉経期になって低下すると、それによる体の変化が見られます。この時期に起きる変化は、ホルモンの低下によるばかりでなく、年齢自体による変化や、生活環境などの影響が重なり合って起こってきます。 ある特定の症状がどのような原因で起きているのかを知るのは、しばしば困難です。 一方、閉経期になっても全く問題のない女性もたくさんいます。 ●のぼせ(hot flash) のぼせは最も多い閉経期の症状です。 突然「熱い感じ」が体の一部または全体に広がります。皮膚が赤くなり発汗する事もあります。のぼせは皮膚の血行が増加するために起こります。この場合、エストロジェン(ホルモン剤)や、漢方薬の服用が有効です。 ●性器の変化 閉経期になってエストロジェン量が減少すると、膣粘膜に潤いがなくなり、膣壁が薄くなって弾力もなくなります。膣壁が性交時にも伸展しないので、性交痛や出血する事もあります。 膣部の焼けるような感じ、痒み、不快感などは閉経期によく見られる訴えです。膣口は狭くなり、尿道口の周辺にも痛みを覚えることがあります。 膣周辺部に起きる変化は尿道部にも及んで、炎症を起こします。その結果、排尿時の痛み、残尿感、頻尿などの症状が現れます。これらはしばしば性交後に発生します。 ●骨の変化、その他の肉体的変化 閉経期になると、骨からカルシウムが減少し始めます。大体一年間に1〜2%の割合で骨のカルシウムが失われていきますが、それが続くと最終的には骨粗しょう症(オステオポローシス)になってしまいます。 骨粗しょう症になると、骨が弱くなり骨折しやすくなります。毛髪はうすくなり、その質も変化します。恥毛も少なくなります。脂肪の分布が変わるので、体つきも変わってきます。 ●精神的、感情的変化 閉経期がきても、情緒的な変化を全く経験しない女性はたくさんいます。妊娠の心配もなく、生理の煩わしさがなくなって開放感を覚える人もいます。しかし中には、神経質、イライラ、怒りっぽく情緒不安定、疲れやすい、不眠、憂うつで気分が重いなどの感情的、精神的変化を経験する人もいます。これらの症状はホルモンの変化や、この時期に経験する人生の困難さによるものかもしれません。 このような精神的変化はストレスの原因となり、自身でも扱いかねることがあります。これらの感情を決して否定することはありません。親しい友達、夫、必要ならば医師、カウンセラーなどに打ち明けてみるのもよいことです。 性生活 閉経期だからといって、性生活を変える必要はありません。ただ、女性ホルモン(主にエストロゲン)の減少により性交時に痛みを伴うことがあります(萎縮性膣炎)。そんな時は潤滑ゼリーやホルモン剤(膣錠や貼付剤、内服薬など)を利用します。 避妊 理論的には妊娠の可能性はゼロではありませんが、あまり神経質に考える必要はありません。心配なときはコンドームを使うことをお奨めします。 婦人科検診 閉経期とそれ以後は、婦人科検診を一年に一回は受けましょう。子宮癌は閉経後も発生します。子宮の入り口(膣部)、頚管、時には子宮内(子宮体部)から細胞を取り、細胞診を行います。診察の結果ホルモンの補充が必要か、漢方薬が適しているか、あるいは精神的治療がいいのか考えていくことになります。 エストロゲン補充療法 閉経期に起きる主な症状や体の変化は、エストロゲン(卵胞ホルモン)を服用することによって軽快します。今日欧米では多くの医師がエストロゲンの使用をすすめています。 我が国でも十数年前から一般的な治療法になってきました。 エストロゲン補充療法は、のぼせ、性器の不快感、骨粗しょう症などのホルモン欠乏による症状を治療するのが目的です。エストロゲンを使うと「のぼせ」はかなり軽減し、たまにしかおきなくなります。エストロゲンはまた膣部の不快感や焼けるような感じを軽減し、膣壁の潤い、柔軟性を回復します。 閉経期以後は骨からカルシウムが減少して骨が弱くなってしまいますが、この変化を抑えるためにもエストロゲンは有効です。 エストロゲン補充療法は閉経期に伴う感情の変化に対してもある程度有効です。エストロゲンは万能なのではなく、エストロゲンの欠乏によって起こる症状に対して有効なのです。 現在、内服の場合は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を組み合わせて使用します.卵胞ホルモンには内服の他、膣錠や貼薬があります。 ●エストロゲン使用に伴う危険 エストロゲンを長期服用すると、子宮内膜の癌(子宮体癌)が増えると言われています。しかし、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを組合せて使用することで防ぐことができます。 また、乳癌は増えると言う報告と、逆に減ると言う報告がありますが、これも、黄体ホルモンを組合せることで多くを防ぐことができるのです。 ●エストロゲン療法の副作用 稀にですが副作用がおこります。 主なものは下記のようなものです。 1 水分の貯留(体内の水分量の増加…体重の1〜2kgの増加) 2 帯下の増加、時に性器出血 3 乳房緊満感、乳房痛 4 腹痛、下腹部膨満感、悪心、食欲不振 ●ホルモン療法をしてはいけない場合 子宮筋腫、乳癌や子宮癌などが疑われる場合、坑凝固剤服用中の人、糖尿病、肝臓病、そして喫煙者などはホルモン剤の服用はお奨めできません。もちろん妊娠中の方もです。 おわりに…… 女性の寿命は随分長くなりました。閉経は人生の折り返し点です。閉経後の時間は、人生の新しい可能性を探り、発見する時なのです。閉経期に起きるか体の変化によって、有意義な活動を妨げられるべきではありません。 快適な生活を送るため、自分なりの工夫も必要です。以下にそのいくつかを述べてみます。 ●散歩、テニス、水泳、ダンス、サイクリング、エアロビクスなどの運動を定期的に行うことは骨を強く保ち、肥満を防ぎ、健康作りに役立ちます。 ●栄養のバランスを考えた食事をしましょう。特にカルシウムは強い骨を保つために重要で、一日量600mgは必要です。 ●定期検診を受けましょう。肉体的、精神的に困難なことの多くは解決できるものです。 閉経は極めて自然な現象です。自分に適した対処をすることで閉経期をうまく乗り切って将来の生活に向かって進んでください。 |
2006.2月 |
小児の鼻出血 |
突然、鼻から血が出てきますと、お子さんはもちろんのこと周りの方もびっくりして、慌ててしまい、その慌てている様子でお子さんは不安になり、泣き出して、さらに鼻血が止まらなくなるという悪循環になってしまいます。 人間の体の中で一番血が出やすい部分は鼻で、そして、子供の鼻血は鼻の入り口あたりからの出血で、大部分はすぐに止まりますので鼻血をみたら、まず慌てないで落ち着くことです。 年齢は10才以下が多いです。 季節も鼻血には影響を与えるようで風邪が流行したり、空気が乾燥する冬から春が多くなります。 原因としては (1)鼻炎や副鼻腔炎による鼻水や、乾燥、ほこりなどによる鼻の入り口あたりのただれ、炎症 (2)風邪などによる鼻水が刺激になり鼻の入り口の部分の湿疹 (3)鼻中隔わん曲症 (4)その他 (1)、(2)の原因によるものが約95%を占めています。 治療としてはまず周りの人が慌てないでお子さんに不安感をいだかせない様にすることです。そして、のどに流れた血液をのみこまずに、必ず、口から外に出すようにします。(血液をのみ込みますと、しばらくしてからのみ込んだ血をはいてしまい、血をはいたといううことで、またまた、まわりと本人がパニックとなります。) ガーゼ、綿球、何もなければティッシュを鼻のあなの中に1〜1,5cmぐらい入れてあげます。次に、お子さんの親指と人差し指でしっかりと小鼻(鼻翼)をつままして、口を開いて口で呼吸させて下さい。 約10分で鼻血は止まってきます。鼻からの血が30分以上しても止まらないときは、念のためお医者さんを受診しましょう。 |
2006.2月 |
ケガと出血 |
老若男女を問わずケガはいつ、どこでするか分かりません。ボタボタと流れ落ちる血液を見ると、誰もが非常に慌て心臓はドキドキ血圧は上がり、出血は益々ひどくなります。 そこでケガをして出血した時は、まずその血が出ている部位を圧迫して止血しましょう。そして最低5〜6分は圧迫したままにしてください。この時間は非常に長く感じ、途中で圧迫をはずして、のぞいてみる人がいますが、それをやっていてはいつまでも血は止まりません。少し落ち着き出血が止まってから傷を見ると、血がたくさん出た割には意外に小さな傷のことがよくあります。 例えば指や手をケガした場合、指の根元や手首を手ぬぐいなどで中途半端に締めるのはやめましょう。そのために局所にうっ血が起こり、かえって出血がひどくなり、大慌てをしなくてはならなくなります。 逆に輪ゴムなどで強く締めると、出血は止まりますが指先に循環障害を起こし、決して良い方法とは言えません。 外でのケガで傷口が汚い場合は、出来れば流水で傷口についた泥砂を大体で良いですから洗い流し、先に述べたように局所をしっかり圧迫し、慌てることなく医療機関を受診すれば十分です。圧迫には消毒ガーゼがあれば一番良いのですが、なければ未消毒のガーゼまたは手ぬぐいなどでも良いでしょう。 ただ脱脂綿は血液と一緒に固まってしまう為、それをはがす時再び出血する可能性があるのでなるべく使わない方が良いと思います。 |
2005.6月 |
健康食品 |
ここ数年健康食品ブームが過熱気味です。ある調査によれば20代の独身女性の半数が朝食を抜いています。朝食は摂らなくても1/4の人がサプリメントを飲んでいます。 保健機能食品(特定保健用食品・栄養機能食品)と表示のあるものは国が健康の維持・増進のために有効と判断したもので、一定の効果が期待できます。前者は「お腹の調子を整える」「血圧が高めの方に」「コレステロールが高めの方に」などの表示のある食品で、オリゴ糖類や乳酸菌、食物繊維を含む食品、そして食用油などです。これらは生活習慣病を予防できるように工夫された食品で、治療・治癒を目的に利用する食品ではありません。後者は12種類のビタミンと5種類のミネラルですが、これらも通常の食生活をしている日本人では、カルシウムと葉酸の2種類が不足しているくらいで、他は不足していません。 保健機能食品を除いた所謂「健康食品」は、販売の際に行政の承認・許可を受けているわけではありません。お米や野菜などの食品と同じ扱いです。 私たちの健康は、バランスの取れた正しい食生活、充分な睡眠、適度な運動など、ごく当たり前のことによって保たれます。健康食品のみで体に必要なすべての栄養素がとれるわけではありませんから、まずは毎日の食生活を見直してください。外食が多く野菜が不足している人や、胃腸が弱くいろいろ食べられない人など、不足した栄養成分を補うためにサプリメントを使うのが本来の利用法です。 近年アメリカでは治療の補助として使われる治療サプリメントがあります。例えば癌で食欲がわかない患者さんにサプリメントを服用してもらって治療効果を高めるといった方法が行なわれています。もちろんその場合の「サプリメント」は効果・効能が確認された高い品質のものです。 今、日本ではブームが一人歩きしてしまって、効果のあるもの・ないものが渾然としてしまい、どれを選べば良いのか医者でもわからないのが現状です。 ブームに流されずきちんとしたものを手軽に選べるように早くなってほしいと思っています。 主な「健康食品」に関する情報は、独立行政法人国立健康・栄養研究所HP http://www.nih.go.jp/eiken/ にアクセスしてみてください。 |
2004.11月 |
高血圧について |
現在、至適血圧(してきけつあつ:理想とされる血圧)は、上が120未満かつ下も80未満、「高血圧」は上が140以上、または下が90以上とされています。 至適血圧とは、これより低くても脳・心血管系疾患のリスクが変わらない値、高血圧とは、これより高いと至適血圧の人に比べてリスクが高くなる値で、血圧と疾患の関係を研究した結果の値です。 ただし、自宅で測定する「家庭血圧」と、診療所・病院で測定する「随時血圧」では基準が異なってきます。「家庭血圧」125/80は「随時血圧」140/90に、135/85は160/100に相当すると言われています。 家庭での血圧測定は、朝は起床後1時間以内で排尿後1〜2分の安静座位後・朝食前・服薬前に測定、夜は寝る直前に測定します。それ以外、お昼や具合の悪い時など適宜測定を追加します。 血圧は、測定する時刻、気温、体位、その時の身体や精神状態などの条件に影響をすぐ受けるため、自分の血圧を記録して高い時と低い時の値を知ることが大切です。 高血圧は動脈硬化のとても重要な危険因子で、高血圧によって脳、心臓、腎臓、眼、血管が傷害されていき、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、腎不全、網膜症、血管病につながり、寿命に大きく影響します。 心肥大や蛋白尿などの臓器障害がある場合、また糖尿病、高脂血症、年齢、喫煙などの他の因子を危険因子がある場合は、下記の項目に注意して、できるだけ血圧を管理していくことが重要です。 @ 血圧を記録し、まず自分の血圧を知る A その人にとって適切な血圧の目標を設定する B 規則正しい食事、睡眠、生活習慣の改善 C 塩分制限、野菜・果物の摂取 D 適切な有酸素運動、肥満の改善、禁煙 E ストレスになっている事の改善 F その人に応じた適切な降圧剤の選択 血圧を至適に保ち、高血圧による動脈硬化の進行を出来るだけ予防し、年齢を重ねても元気でお過ごしください。 |
2004.7月 |
性感染症(SEXで感染する病気) |
(1)カンジダ膣炎 |
カンジダというかびの一種による膣炎で、チーズカス、或いはオカラの様なおりものが特徴です。普通、かゆみがひどくて気づきます。…抗真菌剤を使います。通常膣錠を7日間ほど使うことで治癒します。 |
(2)トリコモナス膣炎 |
トリコモナスという原虫による膣炎です。かゆみのある、黄緑色のいやな臭いのおりものが特徴です。男性の場合、膿のようなものが排尿時にあります。…女性は膣錠、男性は内服薬を使います。 |
(3)クラミジア頚管炎 |
クラミジアトラコマチスによっておこる感染症です。感染後1〜3週で発症します。普通はおりものが増えるだけですが、ときに腹腔内感染を起こし、不妊症の原因となります。男性の場合やはり膿のような白いものがでますが、ほとんど無症状で経過します。…抗生物質を1〜2週間服用します。 |
(4)性器ヘルペス |
ヘルペスウイルスの感染で起こります。感染後3〜7日で外陰部に水泡ができ、つぶれて激痛がおこります。…抗ウイルス剤を使いますが、ヘルペスは神経細胞に潜んで機会をねらい再発してきます。 |
(5)尖圭コンジローム |
『ヒトパピローマウイルス(HPV)』によって性器にできる腫瘍ですが、子宮頚癌との関連も指摘されている、要注意の感染症です。 |
(6)淋疾 |
最近増加傾向にあります。淋菌に感染すると男性では2〜7日後に強い排尿痛と膿性分泌物を伴い発症します。 女性の場合も膿性分泌物が増えますが、あまり症状がでないまま経過してしまい、骨盤内感染を起こしてから、腹痛を訴えて来院することが多い疾患です。 |
(7)梅毒 |
3〜6週後局所に硬い腫瘤(硬結;バラ疹)ができ、無痛性の鼡径部リンパ節腫脹が起こります。2〜3週間で消退し、潜伏期に入ります。そして3ヵ月後全身症状が出てきます。(第U期梅毒)抗生物質の服用で治りますが、血液には感染の記憶が残り、梅毒反応(+)となります。 |
(8)エイズ(後天性免疫不全症候群) |
『ヒト免疫不全症候群(HIV)』とよばれるウイルスが、体内に侵入すると免疫システムを司るリンパ球が破壊され、体の抵抗力が低下し、通常はなんでもない病気でも命取りになります。輸血、SEX、母子感染、注射器の回し打ちなどで感染します。感染して抗体ができるまで2〜8週間くらいかかるので、検査は感染の心配をするようなことがあってから、3ヶ月後に受けたほうが確実です。 |
簡単に治るものもありますが、中には取り返しのつかない病気もあります。不特定多数の人とのSEXは感染の機会を増やしますので、勧められません。 |
2004.7月 |
小児の自律神経失調症・起立性調節障害 |
体の発育の盛んな小学生高学年より中学生(思春期前後)によくみられる「起立性調節障害」という病気があります。その原因は自律神経のバランスの障害で、起き上がった時に手足の末梢の血管(特に足の静脈)の調節が機敏に反応しないために、さまざまの症状があらわれます。 症状としては |
A) たちくらみ、めまい |
症状のおこるメカニズムは |
健康な人の場合、起き上がると下半身の血液は、静脈の血管が収縮してすぐに心臓にもどり、その血液が脳へ送られます。しかし、この病気の人の場合、血管の収縮が悪いため静脈の血液が下半身にたまり、心臓へ血液が充分にもどらないため、脳へ送り出す血液が少なくなり(A)の症状がおきてしまいます。 また、立ち上がった時に、静脈の収縮が充分におこったとしても、立っている間に収縮する力が弱くなると、下半身へ血液がたまってしまい脳への血液が少なくなり(B)の症状がおこります。 (C)は、入浴しますと血管は拡張しますが、血管の収縮が悪いために血液が血管にたまり、心臓や脳への血液の量が足りなくなるためにみられる症状で、いわゆる「湯あたり」の状態です。 (D)は体を動かすと大量の血液が心臓から全身に送り出されるのですが、血液が下半身にたまっているため、全身への血液が不足し、その結果としてみられる症状です。 (E)は、人は睡眠中、血管は拡張していますが眼がさめると血管は収縮します。この調節がうまく作動するのに時間がかかるためにみられる症状です。 治療は |
治療は 薬物療法の他に、入浴後、膝から下に冷水をかけたり、体を冷水で絞ったタオルでふいて、自律神経の訓練を日常的に行います。 長期的にはこの病気は、成人になるに従い治ってきますが、女子は治るのにやや時間がかかることがあります。 この起立性調節障害という病気は大人の眼からみますと、お子さんの気持ちがゆるんでいる、やる気がない、だらしがない、仮病とみえてしまいがちです。一方、お子さんも何となく体の調子が悪い、物事にやる気がなくなったというように、自分に自信がなくなってしまいがちです。 通常の検査をしても何も異常はありません。しかし、検査をしても異常がないために、たびたび放置されたり、病院を転々としている人がいます。この病気の診断は、他の悪い病気との鑑別が必要ですので、ひとまずは小児科を受診されることをおすすめします。 |
2004.1月 |
花粉症 |
花粉症・・・花粉を吸い込むことによって起こるアレルギー反応のことです。 |
花粉やハウスダストなどアレルギーの原因になる物質を抗原といいます。そしてその抗原に立ち向かう勢力(物質)を抗体といいます。この抗原と抗体の戦いを抗原抗体反応と呼びます。 |
花粉の種類・・・ありとあらゆる花粉がアレルギーを起こす可能性があり、その数は100種類以上見つかっています。 |
主なものは、 2月から3月:スギ 3月末から5月:ヒノキ 5月から8月:イネ科の雑草(カモガヤ・オオアワガエリ等) 8月から10月:キク科の雑草(ブタクサ・ヨモギカナムグラ等) |
北米:ブタクサ(その他スギ、アカシヤ、オリーブ、マツ、イチョウ、タンポポ、イラクサ) |
花粉症の症状 |
4大症状 |
花粉症の歴史 |
1819年イギリスで牧草を扱う人に鼻水や目の充血、時に喘息様の症状があることが知られ、Bostockという人がこれを枯草熱と呼んだのが最初。1873年Blackleyにより花粉がその原因であることをつきとめ、花粉症と呼ぶようになりました。 |
スギ花粉症激増の原因 |
スギは大昔から植林されていました。それがなぜ急激に花粉症の人が増えたのでしょうか |
2003.10月 |
子宮筋腫(きんしゅ)について |
子宮筋腫(以下「筋腫」と略す)は30〜40歳代の女性に極めて多くみられる病気です。子宮の平滑筋から発生する良性腫瘍(しゅよう)であり、一般には性成熟期婦人の15〜20%に存在するといわれています。筋腫は発生部位により粘膜下筋腫、筋層内筋腫、漿膜下(しょうまくか)筋腫などに分けられます。原因はまだ十分にわかっていませんが、卵巣からでる女性ホルモンのエストロゲンが筋腫の発育に深く関係しているといわれています。エストロゲンの働きが低下する閉経後には、自然に小さくなる傾向がみられます。 筋腫の症状は、無症状の場合も少なくありません。しかし、筋腫の大きさ、発生部位などにより異なりますが、多くは毎月の月経量が多くなり、息切れ、動悸(どうき)、めまい、疲れやすいなどの貧血症状がみられるようになります。筋腫が大きくなると、骨盤内にある膀胱(ぼうこう)、直腸、神経などが圧迫され下腹部の痛み、腰痛、頻尿、便秘などの症状がみられるようになります。また、不妊症や流産の原因であることもあります。 筋腫は「がん」などの悪い病気ではありませんし、がんになりやすいということもありませんので、軽いものであれば経過を観察します。しかし、貧血や痛みなどの症状がひどくなると健康に悪く、治療が必要になります。 治療法は、年齢、症状、筋腫の位置や大きさなどによって異なります。また、妊娠希望の有無などご自分の希望を医師に十分に伝え、納得したうえで治療を受けることが大切です。 |
2003.4月 |
脳卒中について |
脳卒中とは、突然起こる脳の病気という意味で、脳血管障害と同義語です。脳卒中は、脳血栓、脳梗塞などの脳の血管が閉塞を起こし、脳に血液が流れなくて起こる脳梗塞と、脳の血管が何らかの原因で破れて出血を起こす脳(内)出血およびクモ膜下出血とに大きく分けられます。 脳卒中の危険因子は、高血圧、心臓病、糖尿病、高脂血症、喫煙、多量飲酒などです。 脳卒中の発作の現れ方は、突然意識を失って倒れるといった場合もありますが、多くの場合、片側の手足が動かなくなる、ろれつが回らなくなる、フラフラしてまっすぐ歩けない、グルグルとひどいめまいがする、片側の眼が急に見えなくなる、体の片側がしびれるといった症状を呈します。脳出血では頭痛、吐き気、嘔吐を伴うこともあります。 クモ膜下出血の原因は、脳動脈のこぶの破裂によるものがほとんどで、突然今までに経験したことのないような激しい頭痛と吐き気、嘔吐を認め、時には意識消失を伴い、すぐに死亡することもあります。 これらの症状は、脳の血管のどの部位にどのくらいの異常が生じたかによって違います。症状が起こったら、なるべく早く医師に相談するか、症状が重ければ脳外科のある病院を受診することです。 脳卒中の治療は進んできていますが、言葉の障害、手足のマヒ等の後遺症を残すことが多いのが現実です。一番の治療法は、やはり前述の危険因子に注意し、予防に努めることだと思われます。最近では、脳ドックも脳卒中の予防、早期発見に役立っています。 |
2002.12月 |
What is 糖尿病? |
糖尿病というと「尿に糖が出る病気」と考えられがちですが、これは糖尿病のひとつの症状にすぎません。重要なのは、血液中の糖分(血糖)が異常に高い状態(高血糖)が続くことです。高血糖を放っておくと、目や腎臓の障害、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。糖尿病は、生きるエネルギー源となるブドウ糖を体の中でうまく使うために必要なホルモン「インスリン」が不足したり、効きが悪くなったりして、糖代謝のバランスが崩れ、体に様々な合併症が表れる病気です。 インスリンを分泌する膵臓のベータ細胞が何らかの原因で破壊され、まったく分泌ができないT型糖尿病は、急激に発症することが多く、昏睡で倒れるなどして、病気にも気づきやすいのですが、一方、糖尿病患者の9割を占める、インスリンの分泌量が減ったり、効きが悪くなったりして発症するU型糖尿病は、進行がゆっくりなので、病気が見落とされがちです。 インスリンの働き以上に過食すると、血液中の糖分が利用されずに残り、やがて尿に混じって出ていきます。膵臓から出されるインスリンの働きに見合った量の食事をしていれば、糖分は十分利用され、高血糖を防ぐことができるのです。インスリンの働きを弱める原因は、遺伝的要素のほかに、過食、肥満、運動不足、ストレスなどがあり、ライフスタイルを改善することにより、予防することができます。 |
2002.10月 |
インフルエンザ |
インフルエンザの流行は毎年、初冬から春にかけてみられます。毎年インフルエンザのために数十人から100人以上の人が亡くなっています。 かかりやすいのは抵抗力の弱い小児と老人ですが、健康なおとなの人にももちろん感染します。突然の発熱、咳、咽頭痛で始まりだるさ、筋肉痛、嘔吐、さむけなどの症状が出現します。 =インフルエンザと普通の風邪の違いはあるのでしょうか?= 風邪とインフルエンザは全く違います。普通の風邪は発熱、のどが痛い、鼻水、咳がでるなど全身症状はさほどおかされません。しかしインフルエンザは39℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状があり、合併症として肺炎、気管支炎、中耳炎、筋肉炎のほかに、心臓の筋肉が障害される心筋炎、さらに短期間の間に重篤になる脳炎、脳症があります。 高齢者では気管支炎、肺炎で、小児では脳炎、脳症で毎年多くの方が残念なことに亡くなっています。特に小児ではインフルエンザに感染し1〜2日の急激な経過で脳炎、脳症となり亡くなることも稀ではありません。 =インフルエンザはどのようにして感染するのでしょうか?= インフルエンザにかかった人の咳が空気中に飛び散りそのウイルスが鼻の粘膜にくっつくことで感染します。インフルエンザの感染は空気の乾燥や疲労、睡眠不足の時に人混みなどへ出かけると感染しやすくなります。インフルエンザにかかったら単なる風邪と思わずに早めに医療機関を受診しましょう。安静をとり、睡眠を十分にとり、部屋の湿度を保ちましょう。(ウイルスは湿度が十分にあると感染力が低下し、ウイルスのパワーも低下します。)そして、水分を意識して十分に取るように心がけましょう。 =インフルエンザにかからないためには= インフルエンザは、インフルエンザにかかった人の咳などで空気中に飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染しますので、流行してきたら(特に、疲れている時)人混みに出かけるのは控えましょう。乾燥していると感染しやすくなりますので室内では加湿器などで湿度を保ち、栄養や睡眠を十分とるように心がけましょう。 =インフルエンザワクチンはどのような効果があるのでしょうか?= インフルエンザにかかった人の70%〜80%の人はワクチンをうけていればかからずにすむか、かかっても症状が軽くすむとうい有効性が証明されています。わが国のインフルエンザワクチンはこの10年間、予測と流行したウイルスがほぼ一致しており、有効なワクチンが作られています。小学校などで学級閉鎖になるくらい流行してもワクチンを接種した人は感染しないということをよく経験します。 =脳炎、脳症にならないためには= 脳炎、脳症になった患者さんの多くは小さなお子さんでした。そのような患者さんの大部分(100%と言っていい位)はインフルエンザワクチンを接種していません。逆にインフルエンザワクチンを接種したお子さんはほとんど脳炎、脳症になっていません。しかし現在のところ脳炎、脳症の発症を完全に防ぐ治療法は残念ながら判明していません。 =乳幼児、高齢者はどんなことに気をつければよいのでしょうか?= 乳幼児、特に幼児のインフルエンザの合併症で気をつけなければならないものとして脳炎、脳症があります。症状としては少しの水分をとっても吐いてしまい元気がない、意識がもうろうとしている、痙攣などがあります。このような症状がみられたらすぐに医療機関を受診してください。インフルエンザが流行しているときは、人混みへの外出は避けましょう。特に、疲れているときや睡眠不足のときの外出は避けましょう。 =インフルエンザワクチンの接種はいつ行なえばいいのでしょうか?= 流行し始める前(初冬の前)に行ないます。 =インフルエンザは何回接種するのでしょうか?= 年齢によって回数は異なります。12歳までは2回、13歳以上は1回接種します。13歳以上でも、以前インフルエンザにかかったことのない人は2回行なったほうが確実な効果が得られます。(接種量も年齢によって違います)2回接種の場合、1〜4週間の間隔で接種します。 インフルエンザの最終的な予防と治療はインフルエンザワクチンと言っても過言ではありません。 |
2002.10月 |
母乳のすすめ |
人の赤ちゃんは人間の乳で、牛の赤ちゃんは牛の乳で哺乳するのが自然で当たり前のことです。母乳をすすめるについて、母乳を栄養学や免疫学から捉えている文章をみますが、このような理屈を持ち出すことなく、人の子ですから母親の乳を飲ませるのが当然です。牛の乳を与えようとする発想が極めて不自然です。 赤ちゃんが生まれると母親は子を抱いて母乳を与えようとしますが、出産と同時に必要量の乳が出るとは限らないようです。しばしば母乳の出が悪い方がいらっしゃいますが、自然は妊娠能力を与えて哺乳能力を与えない片手落ちはしないはずです。 生まれたては目も見えずそれでも口で母親の乳房を探します。母親は赤ちゃんを見たり抱いたり乳房を吸われたり、また泣き声を聞いたり匂いを嗅いだりなどすることによって、はじめて自然に母乳が出てくるし、さらに愛情も沸いてくるものです。ところが実際には母乳の出が悪い方や、事情により与えることができない方がおられます。そのときは牛の乳に頼らざるを得ません。牛乳を与えるについては哺乳量だけでなく、哺乳時間や与え方などもできるだけ母乳授乳に近い状態になるようにしてください。 母乳が充分出るのは出産後しばらくしてからです。あせらずに待つことも大切です。 |
2002.8月 |
皮膚と紫外線(日焼け防止) |
昔は、日光浴は体や心に良いとされ、乳幼児の散歩や小学校の夏休みの日焼け大会などで随分奨励されたことがありました。 しかし、最近では紫外線の有害性が世界中で認識され、日焼けはいけないという考えになってきました。 紫外線の皮膚への悪い影響としては、すぐに現れる急性障害(日焼け、皮膚の黒ずみ)と、長年にわたって紫外線を浴びた結果徐々に現れる慢性障害(しみ、しわ、たるみ、稀に皮膚がん)とがあります。紫外線から皮膚を守るためには、@日焼け止めクリーム(サンスクリーン剤)、A日傘・帽子、B紫外線防御衣類の工夫が必要です。 紫外線には、急性の日焼けを起こし皮膚の表皮細胞を壊すエネルギーの強い「UV−B」と、弱いが皮膚の真皮まで達し「しわ」などの原因となる「UV−A」があります。 日焼け止めクリームにはB波を防ぐ力の強さを示す「SPF」、A波を防ぐ効力を表す「PA」の2つの表示があるものを使うことが大切です。 さらに、人それぞれの肌質(肌の地色)を考慮して日焼け止め化粧品を選ぶと良いでしょう。 また汗をかいたり化粧くずれしたら、こまめにクリームをぬり直してください。万一日焼け直後に皮膚が炎症をおこして真っ赤な状態になってしまったら、まず水で冷やすことが大切です。肌を刺激するような化粧水は避けたほうが良いでしょう。 紫外線の量は、天候・季節などによって変動しますが、曇りの日でも快晴の日の50%〜60%、雨の日でも30%あります。季節では冬に少なく夏に多いのですが、4〜5月と9月〜12月にかけても紫外線の量は真夏とほとんど変わりません。 日焼けを繰り返すことによって少しずつ障害が蓄積され、皮膚の老化が促進されます。 高齢化社会に向けて、健やかで張りのある肌を保つためにも紫外線に気をつけてさわやかな秋を迎えましょう。 |
2002.8月 |
「耳あか」について |
=耳あかがたまると= 外耳道の分泌物や剥がれた皮膚が混ざって耳あかになります。 耳あかには「乾いたタイプ」と「茶色っぽいねばねばしたタイプ」とがあります。 「耳あかのタイプ」や「耳あかの量」には、個人差があり病気とは全く関係ありませんが、耳あかも長時間放って置くと外耳道をふさいでしまい、聞こえが低下することもあります。また、プールなどで水が入ると耳あかが水分を含み膨張して外耳道を圧迫し、その結果痛みが出てくることもあります。 定期的な耳掃除は大事なことですが、耳掃除もやりすぎると逆に外耳道の炎症を引き起こすことがあるので注意が必要です。 =耳あかの掃除は入り口だけ= 外耳道を少し奥へ入ったところは皮膚も薄くなり大変傷つきやすい場所です。 耳あかの掃除は市販の既成綿棒で入り口をそっと拭きとるくらいでよいと思います。できれば外耳道の壁づたいに掃き出すようにようにすると良いでしょう。 なぜ入り口だけの掃除でいいのでしょう。外耳道の内側を覆っている皮膚自体もゆっくりではありますが耳の奥から入り口へ向かって移動しています。耳あかもその皮膚の流れに乗って外耳道の入り口の方へ押し出されるような仕組みが本来備わっているのです。だから入り口の耳あかを外へ掃き出すだけでいいのです。 子供や家族の耳あかを掃除する時も無理をして奥まで取ろうとせず、手前の確実に取れる耳あかを除去するにとどめておくことです。無理に取ろうとすると逆に奥へ押し込んでしまうこともあります。家で取り除くことが困難な場合は、早めに耳鼻科を受診するようにしましょう。 =その他注意すること= 耳掃除中走り回る子供がぶつかってきて鼓膜を傷つけた、あるいは小さいお子さんが親の耳掃除をまねて一人でやったため外耳道や鼓膜を傷つけたなどということもあります。周りの状況にも十分注意することが必要です。 乱暴な耳掃除をしたために痛みや違和感を訴えて来院する患者さんも多いものです。 耳あかのたまりすぎも注意が必要ですが、取りすぎて外耳道や鼓膜を傷つけないよう十分気をつけてください。 |
2002.4月 |
水虫 |
冬の間は何の変化もなく、今年こそは水虫と縁が切れたかなと喜んでいると、春から夏にかけ、足がムズムズし始め、やっぱりだめだったかと、がっかりした経験をお持ちの方も多いと思います。 水虫(小水疱性汗疱性白癬)は白癬菌の感染により起こり、1度かかると、最近は良い外用薬が出来てはいますが、治りにくい皮膚病の一つです。 生活様式の変化から冬にもみられますが、やはり夏が圧倒的に多く、かゆみが強く、ひっかいて、バイ菌がついてしまい、リンパ腺まではれることがよくあります。 治療の基本は、局所を常に清潔に保つようにし、むれの防止に注意し、根気よく外用薬を続けることです。 しかし湿疹や掌蹠膿疱症(しょうしのうほうしょう)など、水虫と鑑別をしなくてはならない皮膚病もあり、これらの治療に外用薬としてよく使用される、副腎皮質ホルモン入り軟膏を水虫につけると、かえって悪化することがあります。一度専門医を受診し、場合によっては顕微鏡的に菌を調べてから治療を始めた方が良いでしょう。 また、爪にまで水虫が波及し、爪白癬となった場合は、外用薬では治らず、数ヶ月間内服薬を服用しなければなりません。 |
2001年 |
「ねつさまし」はあるけれど |
乳幼児に対して解熱剤(ねつさまし)を使用するか否かという問題は、その是非を含め様々な意見があり、いまだに結論の出ていないのが現状です。ここでは、使うとしたらどんな状態の時か、また、できるだけ使わないようにするのはどんな時かをお話ししようと思います。 熱のでる原因のほとんどは何らかの病原体(ウイルスや細菌など)に感染したことによるもので、その本質は、熱に弱い病原菌に対し、自らの体温を上げて戦う生体防御反応です。体温の上昇するメカニズムは、新陳代謝を亢進するとともに体温の放散を抑制することによります。呼吸数や心拍数が増え、フーフーして躯幹は熱いのに手足は冷たくなっていることに気づかれたことがあると思います。発熱は生体防御反応ですから、本来なら熱を下げる必要はないことになりますが、それではどんな状態の時に熱を下げるようにしたらよいのでしょうか。また、その手段はどうしたらよいのでしょう。 熱のせいでよく眠れない、食欲がなくなって水分もあまり摂らなくなってしまった。こんな状態の時には熱を下げてあげましょう。熱が下がって良く眠れ、食欲ももどれば、病気療養の基本である安静が保て、体力が回復するからです。それでは、どのような手段を用いたらよいでしょう。氷枕、冷たいタオル、ヒエピタなどを額や腋の下に当ててあげるのが基本です。それでも体温が下がらず、良く眠れないとか、氷枕等を嫌がってかえって逆効果になってしまうような時、「解熱剤」を使うのが良いでしょう。 次に「解熱剤」をできるだけ使わないようにする時のお話です。まず、生後4ヶ月未満の幼若乳児、体重7キログラム未満の乳幼児には絶対ではありませんがお薬以外の方法でなんとか頑張るべきでしょう。 解熱剤に限らず、お薬の使い方についてはかかりつけの医師とよく相談することが大切です。また、同じ医師に続けて診てもらうことが「医師への上手なかかり方」のポイントです。「こども」はご両親の宝物であると同時に日本の世界のそして宇宙の宝物です。このコーナーが、宝物をそだてるのに少しでもお役に立つようなら幸いです。 |
2001年 |
あきらめないで――尿失禁 |
自分の意に反してトイレ以外のところでおしっこが出てしまう(もれてしまう)状態を「尿失禁」といいます。年をとったらもれるようになると思っている方が大変多いのですが、そんなことはありません。女性では30歳台や40歳台の健康な若い方でも5人に1人は尿失禁があることがわかっています。 なかなか人に相談しづらいために一人で悩んでいる方も大勢いますが、最近では、この不愉快な「尿失禁」に対して、医学的な取り組みもずいぶん進んできました。たとえば、咳やくしゃみ・走ったり重いものを持ち上げた時にもれてしまう『腹圧性尿失禁』。これに対しては、尿道の支える力を強くする骨盤底筋訓練やコラーゲン注入療法、手術療法などいずれも比較的簡単で有効な治療法があります。また、急におしっこがしたくなるとトイレまで我慢できずにもれてしまう『切迫性尿失禁』。これに対しては、我慢できるようにさせるクスリが有効です。 病気の後遺症などで手足の自由がきかないと、トイレに行けなかったり衣服の準備ができずに尿がもれてしまうことがあります。これを『機能性尿失禁』といいます。リハビリ訓練で排尿動作が少しでも改善すると尿失禁も減らすことができます。 年のせいだからとか、恥ずかしいからとかいってあきらめないで下さい。まずは、かかりつけの医師に相談しましょう。 |